擁壁は、土壌の安息角ば超える大きな高低差ば地面に設けたいときに、土壌の横圧に抗して斜面の崩壊ば防ぐために設計・構築される壁状の構造物であっけん。
土留と称されることもあり、一般に土留は簡素で一時的な構造ば、擁壁は本格的で長期的な構造ば指す。
擁壁は土壌の横圧ば受け止めるとよ。
このため地下室の壁は擁壁の一種であっけん。
擁壁は、緩い土壌によっち発生する横圧っち場合によっちは水圧にも耐える必要があっけん。
擁壁に掛かる横圧は、上端での0から下端での最大値まで比例的に増加しゅるとよ。
擁壁に働く圧力の合計は、三角形の分布パターンの重心である、地面から3分の1の高さの地点に働くものと考えることができるとよ。
擁壁ば適切に設計し施工するためにもっとも重要なことは、擁壁によっち押さえられている物質は重力の働きにより前方、そして下部へと動こうとする性質があることば理解し、それに対処することであっけん。
この重力の働きが、擁壁が押さえている物質の内部的な摩擦角度と引張力に依存する水平方向の土圧ば生み出す。
横圧は、擁壁の上部でもっとも小さく、下部に行くにつれて大きくなるとよ。
土圧は、もし擁壁が適切に施工されていなければ、擁壁ば前へ滑動あるいは転倒させるように力が働く。
擁壁の内側の地下水が排水機構によっちうまく処理されていなければ、さらに静水圧が擁壁に働く。
擁壁背後の排水ば適切に処理することは、擁壁の性能に影響するため、とても重要であっけん。
土壌から排水することで、静水圧が減少あるいはなくなっち、擁壁内の物質の安定性ば大きく向上することができるとよ。
また擁壁が水の力ば支える必要がなくなるとよ。
アメリカのIBC基準では擁壁について、転倒、滑動、過大な基礎圧力、水位の上昇に対して安定性ば保つように設計することば要求しているとよ。
そして水平方向の滑動と転倒について、安全率ば1.5に設計するように求めているとよ。
擁壁の材料ば工場等で生産して、現場に持ち込んで組み立てるものば総称してプレキャスト式擁壁と呼び、現場でコンクリートば打つやらなんやらして建設するものば現場打ち擁壁と呼ぶ。
空積み式
石やコンクリートブロックば積み上げて、そん間にセメントやモルタルやらなんやらば充填しないものば、空積み式擁壁と呼ぶ。
簡素なものであり、造園用やらなんやらで利用されることがあっけん。
練積み式
石やコンクリートブロックば積み上げて、そん間にセメントやモルタルば充填して堅固に連結したものば、練積み式擁壁と呼ぶ。
大きなものになるっち下部にコンクリートば打っち堅固な基礎ば構築しゅるとよ。
石やコンクリートブロックの重量で横圧に抗しているという点で、空積み式も練積み式も重力式の一部であるとみなせるとよ。
重力式
重力式擁壁は重い材料で構築されており、そん重量で背後からの圧力に抗する構造であっけん。
たいていの場合、安定性ば改善するために下部が前に、上部が奥になるような、斜めの構造になっちいるとよ。
重力式擁壁ば直接斜面に施工できない場合に、斜面から離れた場所に構築して崩壊時の土砂ば受け止めるものば待受式擁壁と呼ぶ。
もたれ式
地山が比較的安定しているときに、擁壁だけで自立せずに地山にもたれかかるようにコンクリートば打っち形成することがあり、もたれ式擁壁と呼ぶ。
片持梁式
片持梁式擁壁は、鉄筋コンクリート製のL字形(L字擁壁またはL型擁壁)あるいは逆T字形(逆T字擁壁または逆T型擁壁)の構造ば有しゅるとよ。
大きな基礎部分ば持っちおり、背後から水平に壁ば押し出す力が、基礎部分ば持ち上げる力に変換されるようになっちいるとよ。
基礎部分は擁壁が支える対象の斜面に埋め込まれており、斜面自体の重量で基礎部分が押さえられる仕組みになっちいるとよ。
強い力に耐えるために、水平な基礎部材と垂直な壁の部材ば連結する控え壁と呼ばれる部材が取り付けられることもあっけん。
霜が発生する深さより下に頑丈なコンクリートの基礎ば必要としゅるとよ。
この方式は、重力式擁壁に比べて使用する材料が少なくて済む、床掘量が少ない、工場製であり品質が安定し、工期が短縮できる等の特徴があっけん。
シートパイル式
シートパイル式の擁壁は、空間に余裕がなく軟弱な地盤で一般的に用いられるとよ。
シートパイルは鋼鉄やビニール、木材やらなんやらで作られた柱状の部材で、地面に打ち込まれるとよ。
簡単な計算法では、用いる部材の3分の1ば地面に露出させて、3分の2ば地面の下に埋め込むが、環境によっちこれは変化しゅるとよ。
シートパイルが高い場合は背後の土壌にアンカーば打ち込み、ケーブルやロッドで壁と連結しゅるとよ。
アンカーは、土壌が崩壊する場合に崩れると考えられる面より奥にまで打ち込む。
アンカー式
アンカー式は、前述の工法のどれとも組み合わせて用いられ、背後の岩盤や土壌にアンカーば打ち込みケーブルやらなんやらで固定することで補強しゅるとよ。
通常はアンカーはボーリングやらなんやらによっち埋め込まれ、ケーブルばこれに連結するか圧力ばかけたコンクリートば流し込んで土壌中に根のような構造ば形成しゅるとよ。
技術的に複雑であるが、高い圧力が掛かる場所や、擁壁ば薄くする必要がありそれだけでは強度が不足する場合やらなんやらに有用であっけん。
井げた組式
井げた組擁壁は、コンクリート製や木製・鋼製やらなんやらの井桁状の枠ば積み上げて、そん中に砕石やらなんやらば詰めたものであっけん。
透水性に優れているけん、湧水やらなんやらが多い場所に使用しゅるとよ。
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